お友達と一緒に能舞台に。お誘い感謝。
発声の観点から、能・狂言は何度か観に行く機会がありましたが今日の見所は何と言ってもシテを演じる13歳、初能舞台。初めて聴く、その第一声に思わず込み上げました。声変わりをする前の、あるいはまさに声変わりしている途中の。主役を守るように背中を押すようにフォローする地謡の声。常好の演奏。そして、孫を見守る後見の眼差し。観客を含めすべての思いが舞台に立つシテに集まり、彼のこの瞬間に立ち会えることはこの場限り。二度とない貴重な瞬間を考えた途端、胸が熱くなりました。
どの演目も、その役にふさわしい発声。その人でなければ務まらないキャスティングに触れ、人でなければできないこと、人がやる理由を改めて考えました。舞台はやっぱり面白い。どんなにリモートやAIが発達しても、表現できる人がいる限り失ってはいけないものがあると思っています。
呼吸筋ストレッチの本間先生も能を演じられるのですが、やはりその声に惹きつけられます。今日も、身体が鳴る声に触れることができました。音程変化や起伏の少ない舞台なので微睡みを誘うのですが、その、夢と現の間にいるような状態を味わうのもひとつの楽しみ方のようです。以前観た、野外能とはまた違った、声と音に包まれ次元の違う空間にトリップする不思議な感覚を味わいました。
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