舞台は2072年。今から50年後の世界。
環境は、価値観は、感性は、その他、私たちが生きる場所はどうなっているのか。
かつて、空飛ぶ車を夢見たように、タイムマシンを信じるように、想像することは形になるのかもしれない。
小池博史監督は日本よりも海外で広く活動されており、来年はほとんどの予定が海外を転々としながら作品作りをされるとのこと。しかも、ほぼ新作。それは作品にも現れているように、ものすごいエネルギー。監督の作品は舞台制作が主で、今回初の長編映画『銀河2072』が、11月から上映されます。皆様ぜひ、足を運んでみてください。
公開予定 2022.11.8(金)〜12.1木 @UPLINK 吉祥寺
新作映画『銀河2072』
試写会後、客席からの質疑応答に答える小池監督のことばで一番心に残ったのは、「世界は断片化している」「わかりやすいものに皆頭がいってしまう。これは大きな問題。ある人から自分の理解の範囲に収まらなくて怖いという感想があったが、すごく大事なこと。そういうことを示していきたい。」私たちは、与えられた情報で思考停止していないか。社会という混沌を整理しようとする環境の中で、いったい何がモラルなのかと、ちょうどそんなことを考えていたので、私は少しだけ「あ、それでいいのか」と安心したというのが本音。私自身、ここ数年の自粛や、接触をさけよと制御されてきた中で、自分以外の思考に触れることに渇望していたのかもしれない。求めるものを探しているときに、ちょうどその問いと重なる、数ある可能性に出会ったような。映画だからできること、舞台だからできること。様々な表現手法を使いながら、監督自身も問い続けているのかもしれない。また新作を楽しみにしています。
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