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洗っていないんとチャウ…?

再び師について筆を持つようになり数ヶ月。
半年前の師匠からの手紙。
ひとしきり労いやら近況やらのことばが続いたその後に、ところで。

「筆を洗ってないんとチャウ…?」

いや、洗ってますよ。何故そんなことを…?

気になって返信に追記するも、回答はなし。
何かひっかかりを覚えながらも、特に深刻に受け止めず、そこからさらに半年。
・・・筆の滑りが悪い。
穂先がだんだんと揃わなくなってきました。

なんという観察力。
提出する文字の筆の流れから、メンテナンスの甘さを見抜かれていたのでした。

言い訳が許されるのなら。
洗ってなかったわけではないのです。
しかし、洗い方が足りなかった。あるいは洗い方を間違っていた。
はい、そういうのを「洗っていない」と言います。。。

落としきれていなかった墨はいつしか根元に溜まり、毛筆の流れを止めていました。
筆はいわば書き手の武器。メンテナンスの仕方を間違えると命取りになりますね。
下敷きと相性悪いのかな、墨汁が合わないのかな、文鎮の重さが足りないのかも、紙質かなあ…
原因を道具のせいにし、新しいものを買おうかとすら考えていました。

さっそく、もう一度丁寧に、根元まで墨を落としきりました。
心なしか筆が喜んでいるようです。
すまなかった。

大切なもののメンテナンス、できてますか?

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