ある日、まったく別の目的で行ったカフェ。オーナーさんの声かけが気持ちよく、お料理はボリュームもお味も大満足。活気のあるお店だ。友人とランチを楽しみながら耳に入った、オーナーと他のお客さんの声。
「2Fに時計の展示してるんですよ。よかったら見ていってください。」
これは、いかねばなるまい。直感でそう思った。
美味しく食べ終えて、友人と2Fへ。6畳くらいの展示スペースに、歴史を刻む時計たちが所狭しと並ぶ。アニメ映画のアンティークショップみたい。1つ1つ、ケースから出して説明してもらう。オーナーさんの時計への愛情が伝わってくる。柔らかな音で時を告げる懐中時計、夜空のような青が目を引くラピスラズリの置き時計。中には0が1、2、3、4、5、6、7…うーん、手が届かないな。オーナーから、時計にまつわる様々なエピソードを聞く最中、出会ってしまった。はるばる海を越えやってきた、1917年製造の小さな腕時計。ベルトはさすがに変えてあるものの、ケース、ゼンマイ、当時のパーツがすべてそのまま当時のもの。この状態で保存されているのはかなり希少とのこと。歴史とともに何人かの持ち主に引き継がれながら大事に大事に使われてきたのだと思う。どうしても連れて行きたくなってしまった。即決するにはちょっと背伸びだったけど…。春、新たな決意のもと、これから一緒に時を刻むことにしよう。気がつけば、あの小さな部屋に2時間弱。時を忘れるほど夢中になるってこういうことか…。
Comment